インテリア照明は、部屋を心地よくする上で絶大な効果を発揮します
なぜなら人は、明かるさや色に気分が大きく左右されるからです
例えば体内時計は、明かりに反応しています
そのため明るくなると目覚め、暗くなると眠くなります
人を活動的にしたり、心を落ち着けたりするのがインテリア照明です
さらに電球の「色」を変えることでも心理状態や脳の働きが変わります
インテリア照明の使い分け
インテリア照明を大別すると、活動する部屋と、休む部屋の2種類です
例えばキッチン、仕事部屋、勉強部屋、作業場などは活動する部屋
リビング、寝室、浴室などは、休む部屋
そうした心身の状態に応じて、インテリア照明を決めるのがコツです
活動する部屋のインテリア照明
活動する部屋に適しているのが、「昼光色」の「直接照明」です
青白い昼光色は、真昼の太陽をイメージさせるため体が覚醒します
そして真上から照らす光も昼間の日光に近いため、脳が活性化します
天井から床を照らす直接照明は人に光が当たるため緊張感が高まります
体が覚醒し、脳が活性化され、活動的になれる明かりです
【朝のベッドルーム照明】
朝、気持ちよく目覚めるには目覚ましの「音」より「光」が効果的です
なぜなら目覚ましの音は「アラーム(警告音)」だからです
それより部屋を明るくするほうが、自然に目覚められます
そのために便利なのが「光目覚ましベッドサイドライト」です
徐々に明るくなる日の出モードなどにもできます
【キッチンの照明】
キッチンに向いているのは「蛍光灯」の青白い光です
なぜなら、明りの色が味覚を左右するという研究データがあるからです
例えば青白い光では味覚が敏感になり、味を確かめるのに適しています
【昼のリビング照明】
日中のリビングは、窓から入る自然光だけでも活動的になれます
とはいえ日当たりが悪い場合には、天井灯が必要です
明るく照らすことで、家事などのやる気スイッチが入ります
【単純作業をする部屋の照明】
単純作業を行う部屋に適しているのが、天井から照らす蛍光灯です
なぜなら体を覚醒し、脳を活性化することで効率が上がるからです
さらに青色には、時間を短く感じさせる効果もあります
例えば、黙々とデータ入力をしたり、書類整理をするような場合
とはいえ脳は活性化するものの、集中力は低下しがちになります
そのため、じっくり思考したり創造する場合には向きません
思考や創造力は、むしろリラックスしている時のほうが発揮されます
その場合は、オレンジ色の光で脳の緊張を解くと効果があります
例えば「オレンジ色の電球色」を使った間接照明です
青白い蛍光灯が灯る夜のオフィスで、新しい企画書を作る場合
部分的な照明で集中力を高めると、クリエイティブな発想を生みます
デスクライトでオレンジ色の明かりを灯すだけでも効果的です
逆にオレンジ色は時間を長く感じさせるため、単純作業には不向きです
そのため仕事を始める時には青白い光でスイッチを入れ
煮詰まってきたら、オレンジ色の光で脳の緊張を解く
そんな使い分けで効率よく作業できます
休む部屋のインテリア照明
心身を休めるのに適しているのが、「電球色」の「間接照明」です
電球色のオレンジ色、低い位置の間接照明は、夕日をイメージさせます
そのため体が落ち着き、脳がリラックスします
例えば、床に置いたフロアライトや、棚などに置いたインテリア照明
間接照明は「壁や天井」を明るくするため人に光が当たりません
そのため心身が緊張せず、柔らかな光でリラックスできます
【夜のダイニング照明】
キッチンとは違い、ダイニングルームはリラックスできる明かりが最適
特にオレンジ色は食欲を促進し、食材を美味しそうに見せてくれます
肉など赤い食材は、オレンジ色の明かりでふっくら艶が出て見えます
緑の野菜や青みがかった魚の色も、オレンジ色の明かりで引き立ちます
しかもオレンジ色は、味覚の感度が上がらない色です
そのため味に神経質にならずに食事を楽しめます
さらに、白熱電球の明かりは明暗をくっきりさせます
すると立体感が出て、料理のボリュームがあるように見えます
そのためレストランでは、オレンジ色の白熱灯が多く使われています
テーブルに置いたキャンドルも、同じ効果を得られるものです
●料理が美味しそうに見えるキラメキ感
ダイニングルームには「ガラス」と「白」を使うのがポイントです
なぜなら「艶」や「キラメキ感」が料理を美味しそうに見せるからです
例えばガラス製品を多く使うと、キラキラして美味しそうに見えます
食器やテーブルクロスを白にして、光を反射させるのも効果的です
●シャープな光のハロゲン電球
特にシャープな光を出す「ハロゲン電球」はレストランなどで使われます
皿や料理がキラキラ光り、中華料理などの照りが映えます
ハロゲン電球は、光と影をくっきりさせ、物が立体的に見えます
そのため食材が大きく見える効果もあります
ジュエリーショップで使われているのも、輝きがあるハロゲン電球です
●食欲を減退させるブルー
逆にブルー系は、ダイニングルームに適していません
なぜならブルー系は食欲を減退させ、料理が不味そうに見えるからです
そのためダイエットには効果があるかもしれません
とはいえブルー系には、神経を落ち着かせる作用があります
ですから、バーのような食事以外の場所には向いています
ブルー系の明かりでリラックスすると、夜食の誘惑にも勝てそうです
【夜のリビング照明】
リビングの照明は、高さを変えて数か所に配置するのがコツです
すると空間が立体的になり、美しく見えます
- 棚やテーブルに置いた照明器具
- 床に置いたフロアライト
- 壁に取り付けたスポットライト
目線の先が明るくなる間接照明は、部屋を広く、天井を高く見せます
なぜなら光を当てることで、奥行きを感じさせるからです
例えば、部屋のコーナーを照らすと空間の広がりを感じさせます
明かりを上に向けると、天井が高く見えます
【夜のベッドルーム照明】
眠りにつく2時間くらい前から部屋を暗くすると寝つきが良くなります
なぜなら体が就寝モードに入り、脳もリラックスしてくるからです
例えば気持ちをゆったりさせるのが、オレンジ色の間接照明です
照明は短時間でもリラックス効果が得られ、体内時計が調整されます
おしゃれなバーやカフェが居心地いいのは、照明の働きによるものです
そのため自宅も、照明を変えるだけで、快適な空間に変えられます
キャンドルライトでの食事、入浴、のんびり過ごす時間も快適です
秋の夜長とは、9月下旬の秋分から12月下旬の冬至までの季節。秋分は昼と夜の長さが同じになる日で、冬至は夜が最も長い日です。暗くなると、体も休息モードになります。そんな時に最適なのが、キャンドルライトの明かり。炎の揺らめきは、リラックス感を高めてくれます。