手洗い洗濯に向いているのは、傷みやすい薄手の生地やレース
あるいは、ひどく汚れた木綿など、ごしごし手洗いするとよく落ちます
例えば、下着や靴下なら、入浴時にサッと洗っておくのが簡単です
お湯を使うと汚れ落ちが良くなり、すぐ洗っておけば、洗い替えも少ない枚数で済みます
シミが付いてしまった場合は、先にシミ抜きをしておきます

しみ抜き方法は、まず洗濯する前に済ますことが大事です。なぜなら先に洗濯してしまうと、しみが繊維に入り込んで取れにくくなることがあるからです。そのため、応急処置だけでもしておくと落ちやすくなります。
4つの手洗い方法

手洗い洗濯の方法には4種類あります
- 押し洗い → 摩擦が少なくシワになりにくい
- 振り洗い → 薄手の生地が傷まない
- つまみ洗い→ レースやフリルの部分洗いに
- もみ洗い → 丈夫な生地の汚れをこすり落とす
デリケートな素材は「押し洗い」「ふり洗い」「つまみ洗い」で
特に縮みやすい素材は水で洗い、冬場なら少しお湯を足してぬるま湯で
そして、すすぎや脱水は、短時間のほうが衣類が傷みにくくなります
丈夫な素材は「もみ洗い」でゴシゴシこすることが可能です
素材によっては、家庭での水洗いができないものもあります
例えば、水洗いすると縮む素材や、シワになりやすい素材
縮んだ繊維は、決して元通りになることはありません
そのため、まずはタグに付いている洗濯表示の確認が大事です

洗濯表示には、水洗い、アイロン、漂白について、図で示されています。特に注意が必要なのが「レーヨン」と「キュプラ」。シワになりやすく、縮みやすいため、水洗いは不可です。高温アイロンもかけられないため、シワを伸ばすこともできません。
デリケートな素材の手洗い洗濯

デリケートな素材とは、シワになりやすい、薄い、縮みやすい素材です
例えば、シワになりやすいのは「麻」と「ウール」
薄い「レース」なども優しく手洗いで
そして縮みやすいのが「ウール」や「ニット」です
【シワになりやすい素材は押し洗いで】
押し洗いに向いているのは、シワになりやすい繊維
- 摩擦に弱い「ウール」
- シワになりやすい「麻」
そしてウールも麻も、縮みやすい素材です
そのため熱いお湯を使わず、「水」か30℃以下の「ぬるま湯」で洗います
まず、おけに「水」と「中性洗剤」を入れて溶かします
次に「衣類を濡らしてから」洗剤液に入れ、両手で上から押します
汚れを押し出すようにするのがコツです
漂白する場合は、色柄物にも使える「酸素系の漂白剤」を使います
生地への負担が少なく、食品、血液、黄ばみにも効果があります
ねじって絞ると、ウールは摩擦で毛玉が付き、麻はシワになります
そのため「丸めてから上から押して水を出す」ようにします
そして水を替えて2~3回すすぎます
最後はタオルで水気を吸い取ってから、シワを伸ばして干します
●麻の衣類
麻は特にシワになりやすいので、あまり水気を絞らずに干すのがコツです
白い麻なら、日に当てて干すと真っ白になります

そして生乾きのうちにアイロンをかけます
- 麻は180~210℃の高温アイロン
- ウールは140~160℃の中温アイロン
●ウールの衣類
型崩れしやすいニットは、平らに広げて干すと型崩れしません

毛足の長いカシミアは、特に注意が必要な素材です

カシミアの洗い方は、手で押し洗いし、絞らずに水けを押し出すことが大事です。こすれると毛玉ができやすく、せっかくの風合いが損なわれてしまいます。カシミアは毛足が長いため、普段のブラッシングが手入れのポイントです。
【振り洗いの仕方】
傷みやすい「シルク」や「薄手」のシャツなどに最適なのが振り洗いです

まず大きめのおけに「水」と「中性洗剤」を入れて溶かします
漂白する場合は「酸素系の漂白剤」を使います
例えばシャツなら、両手で持って前後左右に振って汚れを出します
すすぎも水の中で振るようにして洗剤分を洗い流します
そして上から押して水けを出し、タオルで水分を取ってから干します
生乾きのうちに、140~160℃の「中温」でアイロンをかけます
特にシルクは水に弱く縮みやすいので、お湯は使わず手早く洗います
さらに摩擦にも弱いので、こすらず、部分汚れはつまみ洗いにします
【つまみ洗いの仕方】
デリケートな衣類の部分洗いに最適なのが、つまみ洗いです
たとえば「ニット」「薄手のシャツ」「レース」などにシミがついた場合など

まず衣類を濡らしてから、汚れに直接「中性洗剤」を付けます
そして両手で軽くつまむようにして汚れを出していきます
漂白する場合は「酸素系の漂白剤」で
ふり洗いですすぎ、仕上げに「柔軟剤」を入れます
特にニットやカットソーは柔らかくなり、静電気を防ぎ、早く乾きます
最後は押し洗いで脱水し、タオルで水けを取ってから干します
汚れがちな帽子も、形や素材によっては、手洗いが必要です

帽子を洗う方法には、「丸洗い」と「部分洗い」があります。例えば、ニット帽や麦わら帽子などは丸洗いOK。けれど、つばつきの帽子は型崩れしやすいので、部分洗いが安全です。
もみ洗いの仕方

摩擦に強い木綿は、ゴシゴシもみ洗いができます
固形石鹸を塗りつけてから洗濯板で洗うと真っ白に洗いあがります
そのためコットンは、白さを保ちやすい素材です
綿は「熱」にも「摩擦」にも強く、どんな漂白剤も使えます
そして白いコットンならアルカリ洗剤が効果的です
アルカリ度が高いと色落ちしますが、白なら気にする心配がありません
「重曹」「住居用洗剤」「漂白剤」などがアルカリ洗剤です
さらに日に当てて干すことで、さらに漂白されて白さが際立ちます
ただし洗剤分が少しでも残っていると黄ばみの原因となります
ですから日に当てる時には、すすぎを十分にしておくことが大事です
洗剤は、固形のうたまろ石鹸のみ
お湯で洗うので、ほとんどの汚れは、これだけで落ちます
シミ抜き用に使う重曹や漂白剤は、掃除にも使っている物です

汚れの種類と洗剤の関係が分かると、効果的に汚れを落とし、無駄な洗剤を減らせます。例えば食器洗剤は、掃除にも洗濯にも使えます。漂白剤も、掃除用と洗濯用の両方を用意する必要はありません。
手洗い洗濯の良さ

手洗い洗濯をするようになったら、洗い替えが少なくて済むようになりました
下着や靴下などは、入浴時にサッと洗って干せば、一日で乾くからです
しかも手洗いしたほうが、洗濯機よりきれいになります
たくさんの洗い替えが必要なのは、洗い物を溜めこむからです
洗濯機があると、少量だけ洗うのはもったいなく感じてしまいます
溜めておくうちに、シミが取れにくくなったりもします
洗濯機が必要なのは、シーツやカーテンなど、大きなものを洗う時
脱水したほうがよい厚手の衣料なども、洗濯機があるほうが便利です
タオル類は、乾燥機を使うほうが、ふわっと仕上がります
けれど手で絞れる程度の薄手衣料なら、たらいでサッと洗ったほうがシミになりません
手洗いするようになってから、衣類も収納スペースも減りました

少ない服で暮らすには、ワードローブ計画を立てておくことが大切。なぜなら無計画に洋服を買うと、洋服はどんどん増えるからです。例えば、一人分の洋服は年間で「30着」あれば十分。トップスとボトムの組み合わせで1着としてカウントします。すると基本の組み合わせが決まるので、コーディネートも楽です。